知ればもっと面白い介護の専門用語

介護職につくなら知っておきたい専門用語

介護の現場では、日常会話ではほとんど登場しないような専門用語がしばしば使われています。未経験で介護職に就いた人は、最初に戸惑うことも多いようです。例えば、嚥下という専門用語。難しい漢字が使われていますが、えんげと読みます。嚥下とは、口の中に入れた食べ物や飲み物を飲み込む動作のこと。高齢になるにつれ筋力は低下していき、嚥下機能も衰えていきます。飲食物をうまく飲み込めない状態に陥ることを嚥下障害と呼びますが、そのまま放置していると、誤嚥や窒息などの危険を招く恐れがあります。誤嚥とは、食道ではなく気管に飲食物や唾液が入り込んでしまうことをいいます。最悪のケース、誤嚥から誤嚥性肺炎を引き起こして亡くなってしまう高齢者もいます。

誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌が肺に入り込むことで発症する病気です。誤嚥性肺炎を防ぐには、嚥下機能を正常に保つための機能訓練はもちろん、口腔ケアを行うことも重要だとされています。この口腔ケアという言葉も、介護や看護の現場ではよく耳にすることでしょう。

口腔ケアとは、歯ブラシでブラッシングをしたり、口の中をふき取ったりなど、口腔環境を清潔に保つためのケア。口腔ケアが不十分な高齢者の場合、口の中に細菌が蓄積されやすくなります。口腔ケアが不十分であるがために、就寝中唾液を誤嚥してしまい、誤飲性肺炎を発症してしまうケースもあるのです。口腔細菌による感染症を防ぐことに加え、虫歯や歯周病の予防、味覚の保持など、高齢者の健康維持に口腔ケアは欠かせません。